日本ソムリエスクール

 ワインは、古くは聖書にも記述のある長い歴史を持つ飲み物で、現在でも世界の多くの国で作られ、飲まれています。日本でも、この10年間でよく飲まれるようになり、世界各国からワインが輸入され、街の店で広く販売されるようになりました。ワインはぶどうの品種や、土壌、生産された年、醸造の方法などにより、大変多くの種類があり、そのサービスを専門的な立場から行う人が必要とされるようになりました。そのワインのサービスを専門に行う人のことをフランス語でソムリエ(女性はソムリエール)といいます。欧米ではワインは料理とともに楽しむことと考えられていることから、ソムリエは単にワインを注ぐだけでなく、豊富な知識や話題で食事の席を楽しくする専門家として位置づけられており、大変高い教養を必要とされています。

 ワインの普及にともない、日本でもソムリエという職業が生まれました。日本にワインが普及しはじめたころのソムリエは多くが外国で勉強してきた人だったそうですが、日本国内で初めてソムリエを専門に養成するために設立された学校が、ここ中央区にあります。

 その学校は日本ソムリエスクールといい、平成5年に日暮通3丁目に設立されました。創設者は塩原一正さんで、学校ではサービスの実習のほか、語学やぶどうの木の手入れなど幅広い教育が行われており、卒業生は各方面で活躍中です。神戸港開港以来、神戸を発祥の地とする文化はいろいろありますが、今、ワインを専門家が神戸から巣立っていこうとしています。

文 中央区役所提供