大安亭市場

 大安亭は神戸を代表する市場です。魚肉野菜の生鮮食料品店が充実しており、その他の加工食料品を始め日用雑貨や生活に必要なものを扱う商店が軒を並べています。阪神大震災でも自ら被災にあいながら地域の人たちのためにいち早く営業を始めました。

 

 大安亭と言う変わった名称は本来、三宮のセンター街の東の続きとして戦前にあった「小野中道商店街」に大安亭と言う名前の寄席小屋がありここにちなんで名付けられました。
 「小野中道商店街」は戦前には三宮の表通として存在し、そごうをはじめ、呉服、時計、履物などの老舗が軒を競い、付近では、映画館「大黒館」や、寄席「大安亭」で、映画や漫才などが気軽に楽しめるとあって、神戸の中心として連日大変なにぎわいでした。
 その大安亭の付近にあったのが大安亭市場でしたが太平洋戦争末期の空襲でほとんどの店舗が焼失してしまいました。戦後しばらくGHQがこの地域一帯を接収したために再建できなくなってしまい幾人かの店主はあたらしい場所を求め現在 大安亭市場がある場所に三々五々新しく出店することとなりました。
 ですから当時は新しくできたと言う意味で新大安亭市場と言う名前で呼ばれていました。そして、いつしかこの新も取れて元の大安亭市場と言う名前に戻りました。

 

 大安亭市場の付近に伝わる民話は「ロダンのたぬき」です。この話にも寄席小屋の「大安亭」のことが出てきます。この付近にはたぬきのロダンの子孫が今でも住み付いているそうです。

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